オオカミ弁護士の餌食になりました

「皆様、こんばんは! 有村海斗です。本日は『シーエア法務事務所』開業一周年記念パーティーにお集まりいただき、ありがとうございます!」

 大勢の注目を浴びても臆することなく、兄は堂々と挨拶をしている。

「海斗くん、今日も素敵ね」

「本当にかっこいい」

 目を向けると、女性ふたりがこそこそ話しながらうっとりした顔で壇上を見ていた。

 なんとも言えない気分になりながら、私は正面に視線を戻す。

 ネイビーのジャケットにボルドーの蝶ネクタイとベストを合わせた彼は、身長が百八十二センチもあるうえにハーフに間違えられるほど彫りの深い顔立ちをしている。


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