オオカミ弁護士の餌食になりました
「千暁くん、ひさしぶり」
彼のことを名前で呼んだ彼女たちは、どうやら大学のときの同級生らしい。
「ああ、こんばんは」
香坂さんがにこりと笑みを返すと、女性たちは喜びを溢れさせるように弾んだ声を出した。
「相変わらず忙しいの?」
「おかげさまで」
形ばかりの世間話のあとで、女性のひとりが意気込むように口を開く。
「ねえ、今度同期会しましょうよ! 今ちょうど企画を練っていて、千暁くんの意見も聞かせてほしいから、よければこのあと少し――」
「ごめん、今日はちょっと予定があって。なにか思いついたら同期のグループトークに送っておくよ」
「そ、そう」
一蹴されてしまった彼女たちは私に目を移し、たまりかねたように言った。