オオカミ弁護士の餌食になりました
「で、そちらの方は?」
香坂さんは私をちらりと見てから彼女たちに笑いかける。
「彼女は有村真凛さん。海斗の妹さんだよ」
「えっ、海斗くんの!?」
目を見開き、女性たちは改めて私を見た。
「そうなの! どうりで目立って――いえ、きれいな方だと思っていたら」
「兄がお世話になっています」
小さく頭を下げると、彼女たちはパッと顔を輝かせた。『目立って』いた相手に下手に出られたことで、気分がよくなったのかもしれない。
「お兄さんが素敵だと、妹さんも素敵になるのね~!」
女性たちは知り合いを見つけたらしく「海斗くんによろしくね」と言って離れていった。
会場の隅に立つ私に寄り添うようにして、香坂さんは動かない。