オオカミ弁護士の餌食になりました
「香坂さんは行かなくていいんですか? 懐かしい知り合いとか、いるんでしょう?」
「大学の友人より司法書士の同期がメインみたいだから、そんなに知った顔はいないよ。それに、君をひとりにしておきたくないしね」
横目で私を見て、彼は言う。
「真凛は目立つから」
優しい表情にどきりとして、目をそらした。ワインに口をつけ、気を紛らわそうと中央に設けられたビュッフェテーブルを指さす。
「それじゃあ、なにか食べ物でも」
そこまで言ったとき、ふいに寒気を感じた。
「まりいいいん!」
いきなり飛びついてきたタキシード姿の男を、すんでのところでかわす。