オオカミ弁護士の餌食になりました

「いいよ」

「え、いいの!?」

「うん。同期飲みでしょ? 和花には私から声かけとくから」

 じゃあ、と言って給湯室に行こうとしたら、「いやいやいや」と焦った声が追いかけてくる。

「小松は……その、今回は同期とかじゃなくて」

「ん?」

「いや、あの、ちょっと相談したいことがあるから、ふたりがいいんだけど」

「相談って?」

「それは……そのときに話す」

「ふうん」

 結局、仕事が終わったら地下鉄の入り口前で落ち合う約束をして、宮田は自分の机に戻っていった。


< 84 / 157 >

この作品をシェア

pagetop