結婚のその先に
飛行機に乗るまですこし時間があり二人はロビーから飛行機の離着陸を見ていた。


栞菜は啓吾がニューヨークへ飛び立つのを泣きながら見送った日のことを思い出していた。そこから自分なりに精一杯過ごしたことも。でも自分のことで精一杯で啓吾がその後ニューヨークでどんな思いをしていたかまでは考えていなかった。


むしろ考えることが怖くて忙しさを理由にして考えないようにしていたのかもしれない。


あと2ヶ月。自分が啓吾のためにできることはなにかを栞菜は考えていた。


今すぐは無理でもいつか啓吾に自由をあげられるだろうか…。
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