結婚のその先に
次の日。栞菜は良輔のお墓に来ていた。

「久しぶり。」
お墓の掃除をしてからゆっくりと手をあわせて話始める。

「お兄ちゃん、私どうしたらいい?」
なにも返事はなくても今の栞菜はすがりたい想いだった。

「私やうちの会社の為に、啓吾さんは自分を犠牲にしてくれようとしてる。私がもっとちゃんとできてればこんなお荷物を背負わなくてすんだのに。」
兄を亡くした栞菜は人生がいかに儚いか、そして尊いかがわかる。

「一度きりの人生を私たちに縛り付けて、奪っちゃっていいわけないのに。」
栞菜は泣き声になる。
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