結婚のその先に
「なのに…こんな私にも優しくて…守ろうとしてくれて…。どんどん好きになっちゃうよ…。離れたくない。ずるくなっちゃう…。」
栞菜は顔を覆って泣き出した。

ここならば泣いても誰も見ていない。

今頃啓吾と翠は会議中だ。

啓吾の望む未来はなにか。

翠との未来?

もう未来じゃなく今が欲しい?

良輔のお墓の前でしばらくおもいを巡らせた栞菜は涙をふいて立ち上がった。
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