結婚のその先に
体の疲れをとるためにふたりは湯船につかっていた。

栞菜を後ろから啓吾が抱き締める。

栞菜は啓吾に寄りかかり目を閉じていた。

「きれいだった。」
「ありがとう。」
「藤崎栞菜。かぁ。」
「はい」
「これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ」

栞菜は目を開けて自分の薬指の指輪を見る。
同じ指輪が啓吾の長い指にも輝いている。

その手に自分の手も重ねると啓吾は栞菜の指に自分の指を絡める。
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