結婚のその先に
もしかしたらこうして一緒にいられる時間は最後かもしれない。



そう思うとなにかせずにはいられなかった。



ご飯を作ってあげられるのも。
口にたくさん食べ物を頬張る啓吾を見るのも。
一緒にシャワーをあびるのも。
口づけを交わすのも。
並んで歯磨きするのも。
隣同士で眠るのも。


疲れてすぐに眠る啓吾を栞菜は静かに泣きながら見つめる。
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