SKETCH BOOK
今日から浩平がイタリアに行くから、
今日は久しぶりに勉強しなくてもいい日になる。
思う存分ベッドの上でダラダラしていると、
コンコンとノック音が響いた。
「はーい」
「俺」
「だ、橙輝?」
その声に急いで飛び起きて髪を整える。
入っていいよと言う前に
橙輝は扉を開けた。
私服に着替えていて、
橙輝は出かける準備が整っていた。
髪も服も何もかもがグダグダなあたしとは大違い。
橙輝はあたしを見つめると手を翳した。
手には小さな鍵がぶら下がっていた。
「出かけるぞ」
「えっ?どこに?」
「いいから。着替えろ」
「ちょ、ちょっと!」
それだけ言うと、
橙輝は部屋を出て行った。
出かけるって言ったって、
何の準備もしていないんだけど!
とりあえず言われた通り
急いで着替えを済ませる。
ちょっと寝癖がついていたけれど、
直しようもない。
はねた髪の毛を気にしながら
リビングに降りていくと、
橙輝がソファに座って
テレビを見ていた。
テレビでは天気予報が流れてて、
今日の天気は快晴だった。
外に出ていなかったから
分からなかったけど、
今日は天気がいいのね。
それよりもどこに行くのか気になる。
橙輝は立ち上がってテレビを消すと、
あたしの手を引いて玄関を出た。