男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「お屋敷ですかっ!? そこまでされなくても――」

「ミシェル、ロドルフも年だ。これからは侍女もつけて一家に楽をさせてやりたい」


クロードの計画はミシェルにとって思いがけないものだった。


(やっぱり私の生い立ちは、妃に相応しくない……)


「ミシェル? なにを考えている?」
 

クロードの指で俯くミシェルは顔を上げさせられる。


「クロードさまにご迷惑をおかけしている気がして……」

「迷惑? そんなことを考える必要がない。お前は私の愛しい娘だ。遠慮はするな」
 

クロードはミシェルの唇を食むように口づける。この数日でキスにも色々あるのだと、ミシェルは知った。
 

クロードの舌が無防備に開いたミシェルの口腔内に侵入する。ミシェルの舌は生暖かい舌で絡めとられる。


「んっ……」
 

何度も舌を吸い上げられ、歯列をなぞられ、ミシェルの口腔内は愛撫されていく。
 
そこへ扉が叩かれ、クロードはミシェルへのキスを止めた。舌打ちをしそうなくらい口元を歪めている。そんなクロードにミシェルはふふっと笑う。


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