男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
バラの時期が終わったバラ園だが、白や紫のクレマチスが咲き誇っていた。
それはバラと同じように華やかだ。
今まで椅子とテーブルだけだったそこは屋根のある小さな東屋が建てられており、うたた寝でも出来そうなソファがあり、ゆったりとくつろげる場所になっていた。
「いつの間に……」
ミシェルは今までよりも素敵な空間に感嘆の声を上げた。
「ここはお前のお気に入りの場所だからな。一年中花を楽しめるように東屋を建てたんだ」
クロードは美しい生地で作られた薄いグリーンの布張りのソファにミシェルを座らせた。そして自分もミシェルの隣に腰を下ろす。
「クロードさま、私が我がままでした。イヴォンヌさまを娶られても平気です。おじいちゃんから話を聞いて、クロードさまをひとり占めしようとした私は酷い――」
「ミシェル」
クロードは微笑み、いつもより饒舌なミシェルの口に指を置く。
「私はお前だけを愛している。イヴォンヌがよければとっくに結婚していた。あの娘を愛したことは一度もなく、これからもないだろう。お前がいれば十分だ」
ミシェルの空色の瞳が大きく見開く。