男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「ミシェル、迎えに来るのが早かっただろうか?」


クロードの腕の中でミシェルは首を大きく振る。


「ずっと待っていました」
 

クロードは愛しい娘の唇に唇を重ねる。クロードがミシェルを離し、彼女はようやく周りを見る余裕が出た。
 
門の外には王室の豪華な馬車と、様々なプレゼントを積んだ荷馬車が停まっていた。

両方の馬車を引く馬には水色のリボンがかけられている。

護衛の第一騎士団の精鋭たちと彼らを率いるヴァ―ノンもいた。
 
家の中から出てきたロドルフとマリアンヌ、そして魚釣りから戻って来たフランツが目を丸くしていた。
 
クロードの前に進み出たロドルフは、片膝をついて挨拶する。


「ロドルフ、気を揉ませたな。意外と私は我慢が足らないようだ。たったひとり愛する娘をさらいにきた」
 

クロードの茶目っ気たっぷりの言葉にロドルフは笑顔になる。


「私には最高に幸せなお言葉です」

「お前には色々話すこともあるが、今はミシェルを王城へ連れ帰らせてくれ」

「はい。孫娘を幸せにしてくださり、心からお礼を言わせてください」


昨日の表情とは打って変わり、満面に笑みを浮かべたミシェルにロドルフは心底安堵した。


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