男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
思わず溜息が出るような風光明媚な建物をミシェルは初めて見た。今は溜息よりも荒い息しか出ないのだが。
東屋の入り口でミシェルは乱れる呼吸を整えていた。
「お前! なにをしている! 陛下の椅子を引かないか!」
ヴァ―ノンの叱責にミシェルの肩がビクッと跳ねる。
「た、ただいま!」
ミシェルは慌てて椅子の横に立つ国王の元へ行く。
「申し訳ありません!」
これ以上ないほど深く頭を下げて、若干重みのある椅子を引く。クロードは表情を変えないまま腰を下ろすと、ヴァ―ノンが少し離れた後ろに立つ。
どこに立っていればいいのだろうとミシェルが頭を悩ませた時、ふたりの女性が東屋の入り口にやって来た。
ミシェルはそっと国王の斜め後ろに立った。ヴァ―ノンより少し下がった位置だ。
ミモザ色の華やかな胸元が深く開いたドレスを着たイヴォンヌは東屋の入り口で優雅にお辞儀をして顔を上げる。
「クロードさま、ご機嫌麗しゅう。今日は光栄でございます」
「イヴォンヌ、かけたまえ」
沁みひとつない肌の持ち主は、花々しい笑顔をクロードに向けて一緒に来た侍女が引いた椅子に座った。
東屋の入り口でミシェルは乱れる呼吸を整えていた。
「お前! なにをしている! 陛下の椅子を引かないか!」
ヴァ―ノンの叱責にミシェルの肩がビクッと跳ねる。
「た、ただいま!」
ミシェルは慌てて椅子の横に立つ国王の元へ行く。
「申し訳ありません!」
これ以上ないほど深く頭を下げて、若干重みのある椅子を引く。クロードは表情を変えないまま腰を下ろすと、ヴァ―ノンが少し離れた後ろに立つ。
どこに立っていればいいのだろうとミシェルが頭を悩ませた時、ふたりの女性が東屋の入り口にやって来た。
ミシェルはそっと国王の斜め後ろに立った。ヴァ―ノンより少し下がった位置だ。
ミモザ色の華やかな胸元が深く開いたドレスを着たイヴォンヌは東屋の入り口で優雅にお辞儀をして顔を上げる。
「クロードさま、ご機嫌麗しゅう。今日は光栄でございます」
「イヴォンヌ、かけたまえ」
沁みひとつない肌の持ち主は、花々しい笑顔をクロードに向けて一緒に来た侍女が引いた椅子に座った。