男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
ミシェルは崩れるようにその場に座った。軽く絞ったスカートはまだびっしょりで古いながらも磨かれた床を濡らす。

せっかく乾いた頬も涙が出て濡らしていく。ミシェルは顔を両手で覆った。


(もうあの髪飾りは……)
 
探し出すことが出来ずに、ミシェルは悲しかった。クロードに見られて動揺した自分の責任だ。

 
そこへマーサが入って来た。


「ミシェル! どうして泣いているの? なぜこんなに濡れているの? その前に早く服を脱ぎなさい」
 

マーサはミシェルの顔を覆っていた手をそっと離して優しく問いかける。手に自分のローブを持っている。
 
濡れたドレスを脱いでマーサの大きめのローブを身につけたミシェルは少し寒さが和らいだ。


「まだ震えているのね。この分だと風邪を引いたんじゃないかしら」

「大丈夫。身体は丈夫だから。くしゅん!」
 

そう言いつつもくしゃみをしてしまうミシェルだ。


「今温かいお茶を淹れてくるから」

「マーサ、大丈夫。すぐにお風呂に入ります。面倒をかけてしまってごめんなさい」
 

お茶を淹れに行くというマーサを引き止めた。


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