婚約者の過去
彼の決意私の懺悔
夜になり彼が帰ってきた。

凄い汗、荒い吐息
緊張で倒れるのではというような表情

私は恐る恐る彼に聞いた

「話ってなに?」


無音の空間にただ時計の音のみが響く
そして彼は重い口を開き

「僕は君と出会ってから変われた。
高校時代友達がいなくいじめられていた僕に君は話しかけてくれた。
僕に光をくれた。
僕を幸せにしてくれた。
今度は僕から恩返しをする番だ。
僕は君を一生大切にする。
どんな事があっても君を守り抜く。
僕と生涯を共にして欲しい。」


プロポーズだった。
私は泣いてしまった。
嬉しくて嬉しくて。
きっと酷い顔になっていたと思う。
それぐらい嬉しかった。
私は彼の胸の中で

「はい。」

と一言

そこからは安堵からくる涙なのだろう。
2人して号泣していた。

そして私たちは婚約者同士となった。

とても幸せな時間だった
しかし
私の心の奥深くの闇が大きくなるのがわかった

そう。
私はまだ彼に本当の私を伝えてない。
私がどんな酷い人間か
私が彼にした愚行をまだ打ち明けてない。

そしてプロポーズされた翌日私は決断した。
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