ドクター時任は恋愛中毒


どうやら彼女は俺と話すと疲れるらしい。顔は真っ赤だし、はあはあと肩で息をしている。

きっとまた頻脈の状態に陥っているに違いない。しかし、その理由がわからない。


「俺はお前のことが知りたい」

「だから! なんでそういう誤解するような台詞ばっかり……っ」

「誤解?」

「ああもう……! 家に来たら気が済むんですよね!? ならご自由にどうぞ!」


イライラの頂点に達している様子の彼女だが、俺は彼女の自宅を訪問する許可が出てホッとした。

ちなみになぜ自宅に押し掛けようとしているのかというと、彼女の先輩栄養士が放った言葉が気になっていたからだった。


『水越さんは、ご家庭が色々大変で――』


水越は成長すればきっと、病院にとって必要不可欠な素晴らしい管理栄養士となることだろう。それを妨げる障害が家庭にあるならば、なんとかしてやりたいと思う。

しかし、いったいどんな障害なのかは、この目で見なければわからないではないか。

俺はそんな思いから、ぷりぷりしながら前を歩く彼女の後をついていくのだった。


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