漢江のほとりで待ってる
小屋から出た二人は、由弦が滞在している別荘に戻っていた。
そこへ一条から電話が。
「恐らくお前の兄上は、お前のパソコンを狙ってくると思う。そこにいると危険だ!すぐに見つかってしまうと思うから、急いでそこを出て、昔オレ達がよく通っていた例のBarに来い!話はそれからだ」と。
そこは、サーファー達が集う、海沿いにある小さなBarだった。由弦は珉珠を連れ車で急いだ。
数時間後、陽も暮れた塩風の匂いのする場所で三人は合流した。
一条が、由弦と慶太の関係について語り出した。
すると、
「ん!?何で一条がそのこと知ってんの?ずっと前から?」由弦が言った。
「いや、てかお前、兄上と血の繋がりが無いこと知ってたのか?」
「うん。事実かどうかは分からないけど、義母と椎名さんが話してるのを偶然聞いてしまったんだ、兄貴は自分達の子だって」
「はぁ~」由弦の言葉に落胆する珉珠。
「なるほど。二人が話してたんならそれは事実だな」
そして一条は、DNA鑑定の結果を由弦の前に差し出した。
―――― 高柳弦一郎氏と高柳慶太氏 父子鑑定結果
父親肯定率 ゼロパーセント
「何これ!!」
由弦は、その内容に愕然とした。
それでなくても、雅羅達の話や一条が自分と慶太の関係を知っていたことでも、ショックだったのに。
「勝手だとは思いながら、でもここまでしないとお前が危険だと思って……先手先手打たないと。ホントにすまん」
「いつから?いつから知ってた?」
「はぁ~、お前が日本に戻って来てから。お前の誕生日の日、オレも招かれ、椎名氏を見た時に兄上と似てると思った。それと椎名氏の行動?色々聞き込みをして、彼は執事になってから、弁護士の時代と違ってあまり世間に露出することが無くなったらしい。たぶん、雲隠れしたんだろうな?自分の子だとバレないように。そして、我が子の傍にいるために。そう考えたら納得できた」
「なるほどね~。ふっ、オレは疑いもしなかったよ」