漢江のほとりで待ってる
お菓子の博覧会のために描いたデザイン画や企画を一変させた。
ただ由弦の中に、当時から決めていた〝コンセプト〟は変えなかった。
自分にも言える、譲れないもの、それは永遠のテーマだったから。
由弦は、依頼された企業に足を運び、懇談会、日程決め、会場選びから、開催の期間や告知のタイミングなどの打ち合わせに、毎日忙しくしていた。
仕事が終わると、今度は、アトリエとして借りた部屋に戻って、絵を描き続け、寝る暇もないほどだった。
描いていた手をとめて、休憩しようと立ち上がった時、由弦は立ち眩みを起こした。
「疲れてるのかな……」
軽く数回首を回して、体をほぐしたりした。
疲れも重なり、より笑わなくなった、笑顔を失くした由弦は、仕事先でも無表情だった。
「高柳専務、前はよく笑ったのに、今は笑わなくなりましたね?」何気に由弦に仲里が言った。
「前は?オレは前はそんなに笑ってた?」
「えぇ、とてもよく!副社長みたいに不愛想でなく、いつも笑顔でみんなに優しくて、見掛けに寄らず仕事熱心で」
「見掛けによらず!?何だよそれ!」と由弦は笑った。
「あ!笑った!」と仲里。
「愛梨を差し置いて、二人で仲良く何イチャイチャしてるんですか~!」甲斐も割り込んで来た。
「もう~また邪魔しに来る~!せっかく高柳専務と二人きりで話してたのに~」
「そんな言い方酷いです!ねぇ?せんむぅ~」
「二人とも相変わらずだね~」
「えっ!?」仲里は聞き返した。
「ん!?」びっくりした由弦
「さっき相変わらずって、まるで前から知ってるみたいに……」
「あ、あ~二人見てると、毎日そんな掛け合いしてるから、もうずっと前から二人の関係はそうなんだろうな?って思っただけ」
「あぁ~そうなんですか、びっくりした、何か思い出したのかと思いましたよ」
「ほんとですよ~」
変わらない二人を見て、心が和む由弦。