漢江のほとりで待ってる

由弦は病院で検査を受けた。

「事故の後遺症ですね。頭蓋骨と硬膜の間に出血が見られ、それが脳を圧迫して今のような症状を引き起こしています。運動、感覚、視力、放っておくと今まで以上に症状は重くなり、一生その症状とつき合って行かなければならないかもしれません。もっと酷くなると、血液が脳を圧迫するため命にかかわってくる可能性もあります。なので一刻も早い血塊を取り除く手術をお勧めします。言っておきますが、運動機能の回復は保証できません。」

と医師からも念を押された。

「とにかく今は無理です。少しだけ待ってください」と由弦。

病院からの帰り道、一緒に聞いていた仲里に、「誰にも言わないでほしい」とお願いした。

仲里はそれを聞かされ、胸がとても苦しかった。

「今はどうしても手術を受けるわけには行かない。来年には会場での準備もある、それをどうしても成功させたい!この命かけてもいいくらいなんだ。それが終わったら必ず手術受けるから!」

必死で懇願する由弦の願いを、仲里は受け入れるしかなかった。

< 236 / 389 >

この作品をシェア

pagetop