漢江のほとりで待ってる

パーティーは多くの方から祝福を受け、無事終わった。

「由弦は来ていたのか?」と弦一郎が不服気に言った。

「いらしてましたよ!私さっきまで会場の外で、高柳専務と話してましたから!」と怒った口調で仲里は言った。

「ならなぜ入って来ないんだ?」と弦一郎。

「無神経なオッサン!」そう言って、弦一郎と慶太を睨みつけて、仲里は出て行った。

弦一郎と慶太は、「オッサン」の言葉にきょとんとした顔で仲里を見送った。

「今でも私はこの婚約に反対ですから。それに勢いに任せて、後継者の発表までなさるなんて、慶太を後継者として認めてくださったことはほんとに嬉しい、でもこんな形では望んでおりません!見損ないました。珉珠さん、残念だけどあなたもよ!こんなやり方、あなたも私のようにならないことを祈るわ」そう言うと、雅羅もその会場を出て行った。

珉珠は黙って俯いていた。

弦一郎は少し我に返った。

「父上、気にしすぎですよ!大丈夫!私達は幸せになりますから。それに今以上に高柳グループを盛り立てて行きますから」

と父を気遣って慶太が言った。慶太はやる気にみなぎっていた。

珉珠は雅羅の言葉を聞いて、自分の母親にも祝福されなかったことを思い出していた。

数週間ほど前に慶太と結婚をすることを、自分の母親にも報告していた。

けど、母親からは「おめでとう」の言葉は聞けなかった。

そして、

「仮にも自分たちを追い詰めた相手と結婚だなんて、考えられない。確かミンジュあなた、その彼の弟さんの高柳由弦さん?を愛してると言ってなかった?彼の気持ちは?大きな事故に遭われたと聞いたけど、彼は大丈夫なの?そんなすぐに事故のショックから立ち直れないでしょうに。母さんは、今回ばかりは、あなたの考えに賛同できないし、何だかあなたを応援出来ない。祝福できないわ。だからパーティーへは行けない」

そう言われていた。

珉珠自身も、母には誰よりも一番に祝福され、結婚をしたかった。

なのに、なぜこんな風になってしまったのだろう。とても心苦しかった。

決して由弦の気持ちを無視したつもりはなかった。むしろ……

なぜか話が進めば進むほど、虚しくなって行く。

―――― でも自分が決めたこと、もうあとには引けない!

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