漢江のほとりで待ってる
婚約パーティーを終え、細やかやな家族だけのクリスマスパーティー。
高柳家には大きなクリスマスツリーが飾られ、豪華な食事も並べられていた。
大きな暖炉には薪がくべられ、炎を上げて部屋を暖めていた。
慶太の部屋で、
「ほんとにいいのか?後悔はしていないか?もしかして、まだ由弦を?」
珉珠は首を横に振り、微笑んだ。
「そうか、早く君を私のものにしたいよ。来年の五月に式を挙げよう」
そう言うと慶太は珉珠に唇を求めた。
がしかし、珉珠は拒んだ。
「ふ~、そうだな、仕方ない……少しずつでいい、私の方に振り向いてくれれば。それまで待とう。だが、式の日取りのことは考えておいてほしい」
「……分かりました」
二人は、弦一郎たちの待つダイニングに移動した。
テーブルに座ると慶太は、
「家族だけでこんな幸せなクリスマスパーティーを過ごせるなんて、夢にも思いませんでしたよ」
感慨深げに言った。
「慶太、浸っている所悪いが、由弦はどうした?なぜ来ない?」弦一郎は不思議に思った。
「あ、あぁ~、あいつは忙しいと言ってましたから……博覧会の件でそれ所じゃないかと」
ヒヤリとした慶太。
「そうなのか?」
由弦にはクリスマスパーティーのことは言わなかった。どうせ呼んでも来ないと踏んでいたから。
いや、来てほしくないのが正直な気持ちだった。
「そうですよ!家族だけで?由弦さんもいないのに?椎名さんもいないのに……」雅羅はこれ見よがしに言った。
慶太は何も言い返すことが出来なかった。
「実際に慶太さん、浮かれていて、椎名さんの面会にも一度も行っていないそうじゃないの」雅羅は続けた。
「まぁ、今日はクリスマスイヴだ。その話はまたの機会にしよう」弦一郎は気を利かせた。
珉珠も遠くで由弦を見ただけで、しばらく話せていない。
働き詰めの彼のことを、心の底では心配していた。
各々色んな思いを抱きながらも、その部屋は暖かかった。
紅茶が入れられ、ケーキが切られていた。