漢江のほとりで待ってる
そして、大博覧会イベント当日を迎える。
大勢の客が押し寄せ、多くの企業関係者達も招待された。
弦一郎達は由弦の晴れ姿を見るため顔を出し、珉珠は、由弦に会うかもしれないと、少し緊張の面持ちで慶太とやって来た。
一条もまた招待され、来ていた弦一郎に挨拶した。
夢の国へ誘うように、その場に入った瞬間からドキドキわくわくとなる、不思議と胸が躍るような感覚にさせ、また懐かしさも醸し出していた。
大手菓子メーカーの歴史を振り返る、タイムトンネル。
4Dで菓子メーカーの動くキャラクターが、その世界へと誘う。
そこからさらに先へ進むと、ちょっとしたアトラクションがあり、由弦の本領発揮の場となっていた。
一歩そこに踏み入ると、そこにはグラフィック駆使した、雪の中の森が体験でき、その中で探検をしながら宝探しをして、金、銀(金と銀は数が少ないためレア)、銅の天使を模った鍵が隠されおり、それを見つけると、激レアやレアなお菓子やグッズなどと交換できるようになっていた。
この雪の森は、散策だけでも、十分に楽しめるようになっていた。
そこに足を踏み入れた珉珠は、その景色を見た瞬間、自分の故郷である、良才市民の森を彷彿とさせた。
幼い頃、父よくとその森を探検したことを思い出していた。
何とも心が熱くなるような、切なくもあり、懐かしい思いがした。
思わず涙ぐむ珉珠。
雪の森なのに、寒々しさだけでなく、親が子を優しく包み込むような、恋人同士が愛を育んだり、命が育まれる自然の愛を感じさせる、大きくて温かな愛、色んな愛がそこに詰め込まれていた。
それこそがこの博覧会のテーマであり、由弦のコンセプト、譲れないもの、それは月並みだが、〝愛〟だった。
由弦が、幼い頃から、誰よりも欲していたものだった。
―――― 由弦、あなたはあの森を知っているの?あの森はあなたの目にこんな風に映っていたの?私は、あなたの中に溢れる情熱が好き、感性がとても好き。あなたにとても逢いたい……
心の中で珉珠は叫んでいた。
森を抜けると、アトラクション体験を終えた、探検隊達のお腹を満たすコーナーが待ち受けていた。
新商品を楽しめる屋台ブース、そして、博覧会主催はお菓子の企業ともあって、有名パティシエ等とコラボし、日替わりで限定スイーツが登場した。
最後は、今回のプロデューサーを紹介するように、由弦の絵が待ち構えていた。
アメリカで活躍していた時代のもの、過去のものから、新しいものまで飾られていた。
その存在感に、来ていたも者みんなを圧倒させた。