漢江のほとりで待ってる
珉珠は別の招待客と挨拶をしていた。
それを終えて、慶太の所に戻って来ってくると、固まったまま一点を見つめている。
心配になり、「大丈夫ですか?副社長」と声を掛けた。
何度か声を掛けるが反応がない。
「副社長!」
「あ!す、すまない、考え事していた」
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。すまない」
「慶太しっかりしなさい。あの方が言われてことは間違っていない。由弦を探そう」
弦一郎が思い詰めた表情で言った。
部下に命令し、会場をくまなく探したが来ていない。
まさか、由弦が初日に来ないなんて思ってもいなかった弦一郎は、またしても、自分が人として欠けている部分を、思い知らされた。
「高柳の姓で最後に受けても構いませんよ」、由弦の言葉を弦一郎は思い出していた。
―――― だから来なかったのか?終わるまでがお前の仕事だろう!いや、お前をないがしろにしていた私が言うべきことじゃないな。辛いお前の気持ちを無視していたんだからな。
弦一郎は胸の中で呟いた。