漢江のほとりで待ってる
そんな和やかな出会いのあったあと、夕方になり、本家へ足を運んだ由弦。
五月というのに、まるで新年の挨拶でも始まるのかと思うほどの、豪華な料理が並んでいた。
綺麗なお重箱には、おせち料理が詰められていた。
そして、高柳一家総出で由弦を出迎えた。
そこには、珉珠がいた。傍らに慶太も。
由弦は少し不快な気持ちになった。
そして、新年の挨拶を、弦一郎が由弦にして来た。
「何のつもりだよ!」
由弦は不機嫌そのものの顔で言った。
「お前に会うのにこんなにも時間がかかってしまった。正月は、忙しかったのは仕方なかったが、互いに気まずいとは言え、新年の集まりごとにお前を呼ばず、博覧会でもお前に会えず、全て終わってからやっと連絡がついて、こんな時期になっていた」
弦一郎が、神妙な面持ちで言った。
「ふん!オレは元々いない人間だから、どんな集まりやパーティーがあろうと、オレは数に入ってないのは当たり前だろ?むしろ邪魔な存在なんじゃないの!オレを呼ばなかった?そんな勝手におもてなしされてもね~!自分達の罪悪感っての消したいだけだろ?こんなことしてオレが喜ぶとでも思った?嬉しくとも何ともないし!」
「確かに、色々あって顔を合わせることは、辛いと思ったのは事実だ。でもお前は家族の一員だから」
「家族!?顔合わせして辛くさせてんのは誰のせいだよ!!今更!?ふざけんな!オレは一度も家族だなんて思ったことはない!こんな居心地の悪い家、こっちからお断りだよ!」
吐き捨てて由弦は出て行った。
珉珠はその後ろ姿見て、すぐにでも追い掛けたい気持ちだった。
「なんて言い草だ!おい!待て由弦!」慶太があとを追おうとしたら、弦一郎が止めた。
「やめておきなさい。由弦が怒るのも当然だ。自分達の気持ちを軽くしたいだけで、あの子にそれを押し付けてるだけだ。今更……ほんとにそうだ」
弦一郎はやり切れない思いだった。
由弦と高柳家の溝はさらに深まった。