漢江のほとりで待ってる

博覧会も無事終えた由弦の絵は、あの椿氏の許へ渡って行った。

弦吾は、椿氏の画廊を訪れた。

「おや?珍しい方がお見えだが」声を掛けた椿氏が、弦吾に鋭い眼光を投げつけた。

「孫の絵を、ゆっくり拝見しようと思いまして」

「そうでしたか。てっきり私に何か話でもおありかと思いましたよ」

「はっはっは!それは鋭い!参りましたな」

「で?お話とは?」

「すでにご承知のこととは存じますが、近々臨時株主総会が開催されます」

由弦の絵を見ながら弦吾は言った。

「ええ」

「恐らく内容は、今の社長を退かせる……」

「ほぅ~、中々興味深い話ですな?して、そのあと誰が?」

「ふ~、私の孫ですよ」

「……!!本当ですか?」

「ええ。今回の件をしでかしたのは、うちの孫でして。あなた様が、うちの株主様であることは存じております。しかもかなりお持ちであり、お力がある。こんなこと私どもが、言えた義理ではございませんが、孫の後ろ盾のお願いに上がりました」

「では時期社長に由弦君を?慶太君ではなく?」

「はい。私はそれで構わないと思っております」

「そうですな~確かに、頼める相手ではありませんな。がしかし、引き受けても構いませんよ?ただそれには条件があります」

「条件?」

弦吾と椿氏の間で、ある契約が交わされた。

その頃、専務室に由弦はいた。

そこへ、弦吾からの電話。

「例の件、全てワシに任せなさい。お前は何も気にせず、臨時株主総会に臨みなさい」

というものだった。

一先ず由弦は、弦吾の言う通りにすることにした。

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