漢江のほとりで待ってる

固執した、保守的な体制に、黙って従いながら、機を伺う由弦。

また会議では、

役員達は、由弦が社長代理の立場にあること自体が気に入らなかった。

「一通り企画書や報告書に目を通させて頂きました。では早速ですが、各部署の進捗報告お願いします」と由弦の言葉に、役員達は無視するかのように、無駄な雑談を始めた。

「今度ゴルフでも~」

「あの時のミスは君の迅速なフォローのお陰だよ」

「お孫さんが生まれたそうで~」

その場を和ませるものとは程遠いものだった。

由弦に対する嫌がらせだった。

そん風になることも、由弦は想定していた。

だが、この場を一変させたのが、マーケティング部から来ていた江南課長だった。

「では、マーケティング部から報告させていただきます」

この状況を見兼ねてのことだった。

今回の甲斐の企画を詳細に説明し出した。

これから増えて行く高齢者に向けたコスメに着目。

この企画の立案者である甲斐は、メイクアップ技能検定の資格も持っており、コスメに関してはプロであると、江南課長は強調した。

実際に、高齢者施設を巡り、どのような化粧品を使っているか、どのようなものに興味があるか、また何もしてない高齢者に興味をもってもらえるように、実演(高齢者の方に化粧をする)を行ったり、それぞれの肌質もしっかりと調査しながら、そして一番は、楽しんでもらえるようにと、日々試行錯誤しながら取り組んでいたという。

付けるものが多すぎると面倒、価格もどれ位なら買ってもよい範囲か、など事細かに調査されていた。

「いくつになっても女性は乙女だから」

がモットーに。

化粧品のパッケージのデザインまで考え、派手さもなく、甘すぎない、けれど可愛らしいをコンセプトに取り組んだ。

「案の一つとして、出来るなら、高齢者施設に月一出向いて、もしもそれが無理なら、二、三ヶ月に一度のペースで、無償でメイクを楽しんでもらいたいという立案者の希望。しかしこれはすでに実行しております。」と江南は言う。

「持続できる自信は?」と由弦。

「あります!」自信をもって答えた江南。

そしてもう一つは、年代別の化粧品の商品化。

この商品化について、専門的な知識などは、今回、化粧品メーカーが、傘下に入ったことで解消された。

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