漢江のほとりで待ってる

「なかなか素晴らしい企画だと思います。それに、CSR「企業の社会的責任」にも繋がる。うちは歴史はさることながら、実績も十分なのに、なぜかその取り組みに対してとても消極的なのはなぜだろう?高柳は絶対的!なんておごりがあるのかな?慈善事業とは違い、高柳グループが一丸とさえなれば、社会に貢献できるのに。今うちに一番大事な信頼も取り戻せるのに」

と由弦は甲斐の企画を高く評価した。

すると、

「君ねぇ~、何も知らないのかね?ボランティア活動なら我社はやっているよ!色んな施設にも寄付はしている!実際税金対策にもなってる!」

六十手前の役員の一人が茶々を入れて来た。

「今の高柳で働いていて、従業員達は果たして誇りに思えるでしょうか?企業の利益だけを考えるのではなく、従業員、消費者の方達、取引先の方達、投資家の方達、それを取り巻く地域社会などとの関係を築き上げて行くことの方が大切だと思います。昔偉い人が、企業は社会と共に発展していかなければならない的なことを言ってた人がいました、まさに今うちもそれが必要です!」

「君はまだ若いから~」

「若い!?そんなもので片付けられては困りますね!この間の日曜、CSR活動がありましたよね?一番身近な方法でもあり、コミュニケーションも図れる場でもあるクリーンキャンペーンです。僕も参加させて頂きましたが、ご近所で暮らす、七十や八十の年輩の方達が参加されてました。その時、あなた方は何をされてたんですか?そんな簡単な取り組みにも参加せず、今やほとんど遊んでいるのでは?そして今日この場に何を報告しようというのですか?」

「失礼だぞ!!確かに君は才能があって活躍しているだろう!でもそれは個人の評価であって高柳には何のメリットもない!!今君がここにいられるのも父上のお陰じゃないのかね!」

「確かに父のお陰ですよ!その父が僕を呼び寄せたこともお忘れなく!それに、全くメリットがないとは言わせませんよ!はぁ~、今後会議には必要な人間だけを置くようにします!もっと柔軟な頭の人間が必要だ!その場の雰囲気を和ませるどころか、空気を悪くさせるだけだ。あなた方は決算報告の時だけ出席して下さい!」

「高柳君!何だねその言い草は!今の言葉は撤回しなさい!」

「では次の進捗報告お願いします!」とその役員の言葉を無視して会議を進めて行った。

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