漢江のほとりで待ってる
革新のため、由弦は不必要と思われる人間は、どんどん排除して行った。
「今までこの高柳グループを支えて来てのは私達だ!誰のお陰でここまで発展できたと思っている!私達あっての高柳だ!若造のくせに調子に乗りよって!高柳社長はなぜ彼を好き勝手させているのか!慶太君はどうしたんだ!」など社内では、常務や役員が口々に不満を言う中、由弦はどんどん若手の企画を、メリットデメリットを考慮しながら採用していった。
「傍若無人」、もはや、暴君とまで言われるようになった由弦。
マーケティング部では、
「会議が始まった時は、針の筵って感じだったわ~。でもそんな雰囲気にも飲み込まれず、しっかりと自分の意志を貫く姿勢は見事だったわ」
今日の会議のことを江南課長は、不安を抱きながらも、由弦のやり方を評価した。
仲里は、話を聞きながらも、病院へ行っていない由弦を心配した。
由弦は、他の従業員の前では至って普通に接していた。
能力のあるもの前提で、年齢や経験に関係なく、若い世代も積極的に採用したり、むしろ若者の間では、クリエイターとしての由弦のファンも多く、「自分達にも夢を与えてくれる!やっただけ認めてくれる!」と二、三十代から、熱狂的支持を得ていた。
誰もが、由弦を悪く言うわけではなかった。
なので、今の高柳の求人応募数は、人気企業として上がっていた。