漢江のほとりで待ってる
由弦と紫苑は、色んなパーティーでも顔を合わすようになり、少しずつ打ち解けて行った。
誘うのはいつも紫苑からだったが、二人きりで、クラッシックコンサートに出掛けたり、絵画鑑賞を楽しんだり、時に食事をしたりと楽しんでいた。
紫苑は、由弦と二人きりで出かけたりするのはとても嬉しかったが、自分が何気に話しかけようとする時、いつも由弦は哀しそうな表情をしていた。
話しかければ、笑って返してくれるが、何か無理しているようにも思えた。
「わたくしといてつまらないですか?」紫苑は思い切って聞いてみた。
「えっ!?どうして?」
「何だかいつも上の空で、時折淋しそうなお顔をされるし、わたくしとの会話は退屈なのかしら?って」
「そんなことないですよ?紫苑さんからはいつも元気を頂いてますから。一緒にいて楽しいです」
「ほんとに?」
「ホントに」
素直で真っ直ぐ育った、純真無垢そのものの紫苑を、由弦は可愛らしいと思った。
またあるパーティー会場でのこと、その場に来ていた招待客達と話が弾み、いつになくお酒のペースが上がった由弦は、少し酔いを醒まそうとバルコニーに出た。
するとそこへ紫苑がやって来た。
「飲み過ぎましたか?大丈夫ですか?」心配そうに顔を覗き込んだ。
「はい、大丈夫ですよ?」優しく笑い返した。
「よかった」
少し、二人の間に沈黙が出来た。