漢江のほとりで待ってる
小田切邸では、紫苑が帰ったあと、家政婦の一人から、珉珠が来ていたと知らされる。
何でも、大切なものを預かっているとかで、それを返しに来たようだった。
由弦は、そのことを気にしながらも、仕事が忙しいこともあって、一週間ほど放置してしまった。
会社では、甲斐の企画が商品化することが決まった。
そのことで、本社で会議が行われ、その時仲里も来社していた。
仲里は由弦を見るなり、
「高柳社長!どうして今日会社に来てるんですか!」
突然そう言った。
「何だよ急に~、久しぶりに会って、開口一番がそれ!?それに仕事だし来るだろう?」
苦笑いする由弦。
「だって青木さん、今日日本を発つって」
「どういうこと!?」
「やっぱり聞いてないんですね?青木さん故郷に帰るらしいです。一週間前にそれ聞いて」
「何時の飛行機!!?」
「確か、お昼の便とか言ってましたけど」」
由弦は、時計を見るなり、会議を放り出して慌てて飛び出して行った。
「間に合うといいですね?何だか高柳社長~青春ですね~!素敵!」暢気に甲斐が言った。
社長が出て行ってしまった会議室はざわついたが、江南部長がその場を仕切った。
由弦は車を飛ばした。