漢江のほとりで待ってる
珉珠は答えに少し詰まった。
「由弦、聞いていい?紫苑さんとはどんな関係なの?」
「紫苑さん!?別に何もない」
「そうなの?でもいつかのパーティーであなたの頬にキスしてた」
「……不意打ちだった」
「紫苑さんはとても可愛らしいお嬢さんだし、由弦自身は紫苑さんのことどう思っているの?」
「どうしたの?今日は変だよ?いつもはそんなことは聞かないのに」
「お願い答えて!」
いつになく、押してくる珉珠の態度に、由弦は圧倒された。
「確かに彼女は可愛いし、それにとても純粋で、汚れてない。オレには勿体ないくらいな人。でもそれだけであって、紫苑さんに対しては何の感情もない。良くて妹的な存在」
「ほんとに?」
「うん、ホントに。あなたはそれ以上に追い掛けたい。オレはあなたじゃなきゃダメなのに。オレのこと好きなくせに、いい加減逃げるの止めろよ!自分の気持ち後回しにして、身を引くばっかりで、そんなあなたを見てるともどかしくなる!」
「だって私、もう若くないから!年下のあなたから好きだと言われ時、戸惑ったの!今でも自分の気持ちに戸惑ってるのに。年甲斐もなく妬いてみたり、紫苑さんのことを聞くのも、どれだけ勇気振り絞ったか……何度も言うけど何よりもあなたをどうしようもなく好きなこと!自分でも呆れてしまう」
「珉珠さん……」
「あの時、あなたにジンジャーエールを作って飲ませてあげたかった、それだけだったのに、お兄様とは本当に何もない!誤解を解こうと思ったのはほんとよ?だからあれから、あなたの家に行ったの。中庭まで行ったら、あなたと紫苑さんがいた。あの庭園の中にいる二人はとてもお似合いで、とても入って行けなかった。それを見た時とても胸が痛かったの!そしてあなたを諦めようと思った」
涙を浮かべた、こんな感情的な珉珠は初めて見た。
「だから、オレに黙って一人で韓国に帰ろうとしたの?」
うなずく珉珠。
由弦は珉珠を抱き締めた。
「バカだな、そんなこと思わなくていいのに。オレはあなたに出会ってから一度だって誰にも心を奪われたことはない。ずっとあなただけを見てる!これからも、この先もずっと!だから、自信を持っててほしい!オレはあなたのものだから」
「由弦」
「それと、若くないからとか言わないで!お願いだから勝手にいなくならないで」
「分かった」
「ホントに淋しかったよ」
「ごめんね、由弦」
「いや、一人で帰ろうとしたのは、やっぱり許せない!兄貴とはもう連絡は取らないって言ってたのに、兄貴と一緒にいた。嘘つき!」
「ごめんなさい。副社長が、最後に罪滅ぼしのために、空港まで送らせてほしいって言われて……」
「だからって、二人きりは違うと思う!だったらさ?オレも他の子と二人きりになってもいいってことだな!」
「それはダメ!どうしたら許してくれる?」
「ふ~!そうだなぁ~、水着姿見せてくれたら許してあげる!」
「はぁ!?」
珉珠は力ない声を出した。突然の由弦の言葉に拍子抜けした。
「嫌ならいい!」
ふくれっ面の由弦を見て、途方に暮れる珉珠。