漢江のほとりで待ってる

その当日、都内にある、高柳グループ系列のレストランで、はじめのうち、顔を合わせた四人は、特に仲里を除いた三人は気まずそうで、よそよそしかった。

それを見ていた仲里が、みんなに満遍なく話し掛け、気を配らせた。

食事を囲みながら、仲里と由弦が会話を弾ませ、楽しそうだった。

由弦の隣で珉珠は、それを見ながら微笑んでいるのに対し、慶太は由弦を羨ましくて、少し面白くなかった。

二人があまりにも仲がよく、もしかしたら二人は自分が思っている以上の関係かも!とそう思ったら、慶太の脳裏に、突然、ソウルで仲里が言った言葉が過った。

「あの日も寒々しい部屋で、一人絵を描いていました—————— 」

—————— 一人で絵を描いていたことを知っていると言うことは、仲里君は由弦の部屋に行ったと言うことか!?だとすれば、二人でクリスマスを過ごしたと言うことか!!あの時は何も思わなかったが、これは重大な問題だ!

慶太はそれを確かめようと、

「ところで由弦、去年のクリスマスイヴは、仲里君と二人で?」

楽しく話す二人の会話を遮った。

「うん。兄貴はその時、珉珠さんや家族と過ごしていたんだろ?オレは一人寂しいイヴになると思っていた所に、彼女が来てくれた。何だか部屋が一気に暖かくなった気がしたよ」

「一晩彼女と過ごしたのか?」

「何で?」

「いや……」

「兄貴は珉珠さんを抱いたんだろ?いい声出してたって。何度もせがまれたんだろ!」

「実はほんとは―――― 」

「ああ!彼女を抱いたよ!体がとても合ってるって思った」

それを聞いて、慶太は、膝に置いていた手に力が入り、握り拳で耐えた。

珉珠と仲里は、由弦の言葉にびっくりしたが、二人とも何も言わずただ聞いていた。

慶太にとって、仲里が否定しなかったことが余計傷付いた。

「ごめん、仲里さん。くだらないことを言ってしまった。ちょっとトイレ行ってくる」

由弦が席を立ったあと、追い掛けるように珉珠もその場を去った。

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