漢江のほとりで待ってる
残された仲里と慶太。
「今の心境はどんな感じですか?」
仲里は冷静な声で慶太に聞いた。
「本当なのか?」
「副社長に答える義務はないと思いますけど」
「いやある!答えるんだ!」
「何故ですか!」
「君が好きだからだ!」
「ふっ!副社長が私を好きでも、私はあなたを好きではありません!それに上から物を言われるのも好きではありません!私、オレ様系は苦手なんです!まだお前って言われなかっただけマシですけどね!」
「寝たのか?」
「くどいですね!そういう人はもっと嫌いです!」
「答えてくれ」
「素敵でしたよ?彼」
「……!!」
「由弦さんから言われた時、どんな思いでした?腹が立ちました?嫉妬しました?居ても立っても居られなくなりました?副社長も由弦さんに同じことして傷付けたんですよ、何度も!痛みが少しでも分かりました?分かったんなら人として見込みがあるかも。自分だけが傷付いただなんて思わないでくださいよ」
「言われた通りの感情だ、どうしようもない」
「人を好きになるって、幸せな気持ちや楽しい反面、痛みも覚えるんです」
「どうしたら君に振り向いてもらえるだろうか?」
「自分で考えて、努力してください!誰もが自分の言うことを何でも聞くだなんて思わないように」
「肝に銘じよう」
仲里の言葉は、胸にチクリと痛かった。
移動した由弦と珉珠の二人は、化粧室へ続く廊下で話していた。
仲里とは何もないと、珉珠に全て、去年のクリスマスイヴのことを素直に話した。
珉珠は、ソウルでの出来事のあと、仲里から話を聞いていたのもあり、由弦の言葉を信じた。
「でも、兄貴には誤解を解こうとは思わない!」
真顔で訴える由弦に、珉珠は、きっと引かないだろうと思い、また由弦のことだから、何か考えがあってのことと察し、そっとうなづいた。