漢江のほとりで待ってる


由弦が制作チームから外され、上海進出記念のMecha-Kakuseiブランドとのコラボの件で一条の元を訪れた。

「あれからどうなった?順調か?」と一条

「えっ!?何が?」

「CMの件だよ。副社長がお前に一任する約束で、うちの商品をプレゼント企画にしてもいいと承諾したんだが?」

「そんな話は初めて聞いたよ!クライアント側がオレが気に入らないから、オレさえ外れたらそのまま器用してくれると兄貴は言ってたから。外れてからオレは一切関知してないから知らなかった」

「そんなことだろうと思っていたよ。先方は海外でのお前の活躍に惚れ込んで器用したのに。やれやれ、お前の兄上は、お前の才能を妬んでおられるのかな?しかし、約束は約束!そちらがその気ならこちらにも考えがある!」

「何をする気だ?」

「お前が手を引いたように、うちも手を引くんだよ」

「そんなことしたら、またCMが無くなってしまうだろ?お前のところだって損害を被るだろうに」

「損害!?わけない!!CMが流れる前に阻止する!互いに口約束だ!オレは高柳グループと契約したんじゃない!友人であるお前との久し振りの仕事だから受けたんだ!勘違いしないでほしい!仕事は遊びじゃないってことは高柳副社長がよく分かっておられるはず!なのにこんなクソくだらないことして!!向こうがお遊びするならその相手をするまでだ!」


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