漢江のほとりで待ってる


「私ね?毎週日曜日、教会へ通うのが日課なの。私のリフレッシュ法とでも言うのかしら?あなたに言えなかったのは、このことなの。宗教の違い……あなたは日本人だから、きっと」

珉珠が沈黙を破り話し出した。

「オレ自身は、無宗教かもしれない。神に対してそれほど信仰心はない。困った時の神頼み的な!?でも一族は仏教徒だと思う。オレは自分の宗教のこともよく知らない。あなたからしたら、それは有り得ないことなんだろうけど……教会では、生贄に肝を抜かれるとか、ドラキュラがいて血を吸われるとか、洗脳されるんじゃないかとか、そういう怖いイメージがあって」

珉珠は由弦の言葉に静かに笑った。

「反面、建物に興味があったり。洗礼は受けられないけど、教会巡りはしてみたいとか。きっと教会の天井には、綺麗な絵が描かれているんだろうなって見てみたいとか思ったり。怖いもの見たさの興味もある」

由弦の言葉のあと、珉珠は深く考えていた。

そして、

「ねぇ?由弦?今度の日曜日、一緒に教会へ行ってみない?お祈りもしなくていい、洗礼はもちろん受けなくていい。ただ私の横に座ってるだけでいいから、一度来てみない?」

少しでも由弦の淋しい気持ちを軽くしたいと、互いの距離を埋めようと、そう思っての珉珠の素直な気持ちだった。

「えっ!?神様に叱られない?場違いとかさ?神への冒涜だとか、愚弄してるとか……」

「大丈夫よ?神様は万人に公平よ?お祈りの邪魔しようとか、建物を壊そうとか思ってないでしょ?あなたはそんな人じゃないし、それに、私が教会に通うことを咎めなかった」

「咎める?オレが?あの中で何が行われているんだろうって興味はあっても、あなたを咎める理由が分からないよ。ただ、先約の相手が神様で良かったって思ってる。それに相手が神様なら敵わないよ」

由弦は笑って答えた。


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