漢江のほとりで待ってる
それから日は経ち、仕事で由弦は上海へ飛び立った。
Mecha-Kakuseiブランドの上海進出のクリエイティブディレクターとして、また由弦のデザインとMecha-Kakuseiブランドのコラボ記念品を出す運びとなった。
一週間は珉珠と逢えない。
片や副社長室では、父親との関係に悩む慶太。
自分の母親も、愛人を作った父に苦しみながらいつも泣いていた。
その傍らで幼い頃から、父に愛されない淋しさを募らせていた。その記憶が未だに自分を苦しめる。
「坊ちゃん、例の件です」
椎名が入って来て、以前言われていた、由弦と珉珠のことを調べた報告書を差し出した。
「ありがとう」
内容を見てみると、頻繁に二人きりで会っていて、二人仲良く手を繋ぐ写真と、二人きりで食事しているもの、そして決定的な写真、キスをしているものが撮られていた。由弦と珉珠がつき合っていることが分かった。
「まさかとは思っていたが、ここまでとはな……」
二人が教会に通ったことや、珉珠が毎週教会に通い礼拝している、彼女がクリスチャンであることなども分かった。
慶太の中にある考えが思い付いた。
「必ず青木君は私の所に戻って来る!そして二度と由弦の元へは返さない」
慶太は部屋で一人ニヤリと笑った。