漢江のほとりで待ってる
日曜の度に、慶太は教会に通った。
礼拝の時には、必ず珉珠の隣に座った。また献金箱が回って来た際には、見せつけるように、封筒には入れずそのまま大金を投げ入れた。
わきまえがあり、繊細な彼からは考えられない行動だった。
お茶会では、慶太も出席し、珉珠とは古い付き合いで、互いに好意的に思っているようなことをほのめかしたり、互いがこの教会に通っていたことも知らず、導かれるようにここへ来たなどと話した。あくまでも紳士的に。
回を重ねる毎に、信徒達には似合いの二人と言われるようになり、ここで出会えたのは運命、神様の思し召しとさえ言われた。
珉珠は教会でそれを言われるたび、苦笑いをして、慶太の発言に不快感を覚えるようになって行った。
毎週日曜の礼拝は、主を思い、疲れ果てた心と体を取り戻すために通っている、神聖な場所なはずなのに、なぜか教会へ行くのが苦痛に思い始めた。
慶太は珉珠の休日と心の自由を束縛、支配し始めた。
その間、上海での仕事を終え、由弦が帰って来た。
珉珠は、その週の日曜、教会を休んで、由弦に逢いたいと伝えた。そして、一連の話をした。
毎週通ってた礼拝を休む罪悪感に苦しむこと、信徒達に自分と慶太の出会いが運命だと言われたこと、普段の慶太らしからぬ姿を見るのが辛いなど、胸の内を明かした。
すると、
「兄貴が何を考えているかは分からないけど、あなたが嫌な思いをしているのに、礼拝を休んだことを神様が怒ったりはしないと思う。それと二人が運命の相手?だったとしたら、あなたは心から喜ぶはずだろ?でもどうだろ?違和感があるんだろ?あなたが苦痛を感じてること、神様は知ってるはずだ。だから、それは主の思し召しではなく、一人間の意見に過ぎない。神様が導いてくれた相手なら、出会ってすぐに運命的なものを感じてるはずだ」
静かに由弦は言った。