漢江のほとりで待ってる
日曜の教会では、相変わらず慶太は態度を変えず通い続けた。
珉珠をいつものようにランチに誘おとしたこの日に限っては、彼女に断られ、教会を出ると由弦が待っていた。白い馬にまたがって。
珉珠は駆け寄り、由弦に引き上げられ馬に乗り走り去った。
由弦に心を許し、可愛らしい笑顔をした彼女。
きらめくような、瑞々しい横顔。慶太の知らない恋する女の顔をしていた。
「まるで姫を迎えに来た王子か!!ナイト気取りか!!」
目の前で連れ去られ、恥をかかされたような、慶太は敗北感を味わった。
慶太の胸中は、妬みに燃え上がった。
本家に帰った慶太は不機嫌そのものだった。一早くそれを察したのは母親の雅羅だった。
「どうかしたの?」と母。
「!?いえ、別に何も……はぁ~でもあいつだけには奪われたくないのです。彼女を……あいつだけには」
そう言うと慶太は母の雅羅の膝に倒れ込んだ。
弱気な息子の姿を見た母、雅羅は何とかしてやりたくて心を痛めた。
幼い頃から、父親の顔色を伺いながら、それでも父親に愛されようと懸命に生きて来た我が子を、必ず後継者にすると改めて心に誓った。
慶太から大切なものを奪うものは誰であろうと許さない!
雅羅は椎名に相談した。
椎名もまた慶太を手助けしたく行動を起こす。