漢江のほとりで待ってる


慶太がデザインを依頼した、海外の有名なアーティスト、ニューヨーク出身のクリストファー・ノーブルが来日した。

彼の来日に伴い、また高柳グループとタッグを組むという、世間でもその話題を取り上げた。

本社に来るとあって、社内でもお祭り騒ぎになっていた。

その頃、副社長室にいた慶太に、

「坊ちゃん!新たに分かった事実なんですか、青木珉珠氏の母親のボランティア事務所に、なんでも、十年も前から、多額の寄付をしている者がいて、素性はまだ分からないそうですが、外国人を装った日本人の可能性があるとか、しかも大企業の人間なんて噂もあるようです。青木氏の母親は、その寄付をしてくれている人間を探しているようです。それと、なぜか彼女の母親の事務所に、大勢いで写ってる写真の中に、少年の頃の由弦坊ちゃんが写っていました。これもまだ詳しいことは分かっていませんが、何か関係がありそうなので詳しく調べてみます」

椎名が報告して来た。

「由弦が!?分かった。宜しく頼む」

そう答えた慶太。

ふと、いつか珉珠とディナーをした時に、彼女がボランティアの話をしていたことを思い出した。

―――― もしかして彼女は、私が多額の寄付をした人物と思っていたのか!?私を疑うくらいだから、その人物は由弦ではないな。ならば誰なんだ!?まさか、父上!?だとしたら、なぜ父上が寄付を?それになぜ由弦の写真が!?

慶太は記憶を照らし合わせた。

この情報は、雅羅にも報告された。

雅羅は椎名と共に、珉珠の母親のいる韓国へ飛ぶことにした。

事実を明らかにするため、そして慶太のためにある計画を企てる。


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