キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「部屋は、客間があります。
正直言いますと、キスもまだしていません。
唯さんは、男の人と付き合うのが初めてで……
まだそういうことは…
無理みたいです。」って言いながら、唯を見て笑ってる。

もぅ~。

お父さん達に話さなくったって。

真っ赤になって、俯いていたら

「あらあら……まぁ~
唯ちゃんは…子供で……… 
えっ?でも…さっき…プロポーズって…」

「はい、しました。
ただ、これからも…彼女が良いと思うまで…
そういうことは…しないつもりです。」

「えっ……あぁ~。」

お父さんも戸惑ってるみたいで…

何か言いたそうに、口をパクパクさせてる。

「あのね、先生ね。
唯が"うん"て言うまで……"待つよって"言ってくれてるの。
……たとえ結婚しても。
ホントは、二人気持ち……って言うか……
唯の気持ちが育ってから結婚するのが、一番なんだけど
今のプロポーズは…唯を一人にしない為だからって…」

驚く両親に

「今の時代…お泊まりデートをしている人は…沢山います。
親の許可を取りに来る方がおかしい事も分かってます。
ただ、私達は…そんなつもりで付き合っていないのだと…
もっと真剣で、大切に思っていることを
分かって頂きたかったので。
唯さんは、デートで遅くなることを嫌います。
『帰った時唯が迎えてあげないと…皆が淋しく思って
帰って来ないかもしれないから。』っと言って…
自分が一人の淋しさを知っているから……
そう思うのだと思います。
彼女の気持ちが分かるから…これまでずっと見守ってきたのですが。
このままだと、大切な今の時間を"待つだけ"の時間に
費やしてしまいそうなので……
皆さんが帰られる日や時間を連絡して頂けたら
それまでここに一人で居なくても
友達や私と過ごせるかと思いまして……
勝手な事ばかり話して心苦しいのですが
唯さんの為に………どうでしょうか?」

突然泣き出したお母さんにびっくりしていたら…

お父さんが口を開いた。

「森君、ありがとう。
言いにくいことを言わせてしまって…すみません。
唯は…いい人と出逢ったと……ホッとしています。
本来、私や家内が考えるべきことでしたのに……
本当に申し訳ありません。
家内と…よく話し合って……
なるべく早く、娘達が安心して暮らせる家にしようと思います。
………ただ……
直ぐにとは難しいので…
しばらく唯を、お願いしても良いですか?
…………お願いします。
唯………………すまない………。」

頭を下げるお父さんに

「はい。」と同じく頭を下げる先生。

「それでは失礼します。」

帰ろうとする先生に

「今日は家内と二人で、話し合おうと思います。
………唯をお願いできますか?」

頷く先生に

「お願いします。」ともう一度頭を下げて

「唯、仕度をしておいで。」と部屋を出された。
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