敏腕メイドと秘密の契約

足元を見よ

藍は、期待通り何でもできる。

天音がシャワーを浴びリビングに戻ると、上品な和食が準備されていた。彩りも器も計算されており、小料理屋で出されるものと遜色ない。

「美味しそうだね」

天音は、カウンターでお茶をいれる藍を背中から抱き締めると首筋に顔を埋めて言った。

「天音は"甘々"だね」

「それ、寝起きの時、友達に言われたことある」

「それ女の子?」

「,,,もしかして、やきもち?」

「そう」

素直に認められて、言った天音が赤くなる。

「嬉しい、です」

「私は複雑」

くだらないやりとりが楽しくて仕方ないがご飯が冷めてしまう。

クールな藍が復活して

「ご飯食べたら、掃除、洗濯して、昨日のコンピューターに立ち向かうわね」
と告げた。

「俺も手伝うよ」

「いえ、家事はメイドとして引き受けてる仕事だから私がやります。コンピューターの方は、天音の問題でもあるから一緒に考えましょうか。」

と言ってお茶を運んだ。
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