極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「結婚を前提に付き合って、こうして一緒に住むことになったんだ。
そよかのことが大切だから、嫌がることはしたくない」

だから、といったん言葉を切る。
「まぁ、我慢はしてる」

ちょっとふてくされたような表情でこちらに視線をよこす。そんなすねた男の子みたいな顔をされると、愛しいようなくすぐったいような気持ちがわいてくるから不思議だ。

「だからそよかも少し俺のわがままを聞いてほしい」

そ、それってフェアなやりとりなんだろうか。でも言い返す言葉は思いつかない。
結局いつも彬良くんの思い通りになってしまっている気が、すごくする。

彼の言葉に乗せられ、ついでに車に乗せられていた。
もうなるようになるさ、なんて諦めモードで窓から流れる景色をぼんやり眺める。

「昨日はいきなりだったからな。今後のこともろもろ決めないとな」

運転席の彬良くんがそんなことを言い出して、「え」と間の抜けた反応をしてしまった。

今後のことって、まさか日取りがどうとか言い出すんじゃ・・みぞおちのあたりが冷たくなる。
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