白と黒と時々ピンク。
それから憂鬱な日が何日か続いた。

幸いにも朝から晩まで客先を回り続ける事で気は紛れた。
僕は相変わらずビギナーズラックで好成績を叩き出していた。
入社して3ヶ月でノルマを達成し、係長の座についた。
部長が鬱で休職をしているので、僕は実質、課長についで2番手の地位にいた。
年上の部下がいると言うのはあまり気持ちのいいものでは無かった。

仕事が終わりロッカーから携帯を取り出した。(仕事中はプライベート携帯は禁止だった)

僕はギョッとした。
メールが山のように入っていたのだ。
着信も何度も入っている。

着信は一馬と瞳だった。

もちろんメールも。

僕はコンビニに車を止めて缶コーヒーを買った。
軽く一息ついて胃を決するようにメールフォルダを開いた。

from瞳
一馬から連絡あった?
ごめん。何か変な事になっちゃって。

from一馬
瞳のことで話がある。
折り返し電話して!

from瞳
忙しいかな?
一馬が勘違いして怒ってる。

from一馬
もしかしてまくってる?
電話して!

from瞳
忙しそうだね。
終わったら電話ほしいです。

from一馬
まだ仕事?
やっぱりまくってる?
大至急、電話して!


僕は胃が痛くなってきた。
とりあえず瞳に電話をかけた。



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