ホテル御曹司が甘くてイジワルです
ひとり待つ私のために、アフタヌーンティーを用意してくれたんだけど、こんなおいしそうなものを前に、誰とも気持ちを共有できないのがなんだかさみしい。
アフタヌーンティーのためだけに作られている一口サイズの美しいスイーツたち。
きっと、甘党の館長が見たら喜んで飛び上がるだろうなぁ。
夏目さんだけずるい!ってうらやましがられそうだ。
なんて考えながら一番下のプレートからサンドイッチを取り、紅茶を飲みながらいただく。
「おいしい……」
思わずつぶやいたけれど、もちろんあいづちは返ってこない。
清瀬さんはこんな大きな会社の副社長だし、忙しいんだろうな。
小さくため息をついてから、気を取り直して背筋をのばず。
豪華なアフタヌーンティーを食べられることなんてめったにない。
せっかくの機会だから、ひとりだってことこん楽しんでやる。
じゃっかんむきになりながらたくさんのスイーツを制覇するべく口を動かしていると、キイと音をたてて扉が開いた。
「あ、清瀬さん」
美しくセットされたアフタヌーンティーを前に、ひとりでもりもり食べる私を見て、書斎から出てきた清瀬さんが少し目を丸くしてから笑みをこぼす。