ホテル御曹司が甘くてイジワルです
そしゃくするたび動く色っぽいあごのライン。
ごくりと上下する男らしいのど。
長い指で口元を軽くぬぐうと、ようやく掴んでいた私の手首を離してくれた。
ぼうぜんとする私に気付いた清瀬さんが「どうした?」と不思議そうに問う。
「なんだか、ライオンに餌付けしてる気分でした」
「なんだそれ」
私の素直な感想に、清瀬さんが吹き出すように破顔する。
だって、サンドイッチだけじゃなく、私までまるごと食べられてしまうんじゃないかと思った。
心臓が、ものすごくドキドキしてる。
「少し遅くなったけど、どこか行くか?」
私の髪をひとすじ取り、手の中で遊ばせながらそう聞いてくれた。
首筋に長い指がかすかに触れる。
それだけで、背筋のあたりがくすぐったくて落ち着かない気分になる。
「いえ、今日はいいです」
なんとか平静を装いながら答えると、清瀬さんが首をかしげた。
「お仕事、まだ残ってるんですよね。私に気を使わないで、どうぞ片付けちゃってください」
「でも……」