ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「素敵ですね」
思わずそうつぶやいて視線を上げると、清瀬さんと目が合った。
驚くほど近くで微笑みかけられて、一気に頬が赤くなる。
動揺して体が揺れると、たくましい胸に背中が触れた。
それだけで情けないくらい体温が上がってしまう。
慌てて視線を落とすと、資料の端にプリントされたプレアデスグループのエンブレムが目に入る。
アルファベットのPに、七つの星が添えられた上品なデザイン。
「そういえば、清瀬さんの名前って、プレアデス星団の和名が由来ですか?」
プレアデス星団。空に光る青白い星の集団で、日本語だと昴と呼ばれている。
『プレアデスグループ 副社長 清瀬昂』そう印刷された名刺をもらったときに、凛とした雰囲気を纏う彼にぴったりの名前だと思った。
「少し前までその名前はあまり好きじゃなかった」
私の言葉に、清瀬さんが短くそう言う。
驚いて後ろに立つ彼のことを振り返ると、私の肩越しに資料に印刷されたプレアデスのロゴマークを見つめていた。