ホテル御曹司が甘くてイジワルです

その言葉を聞いて圭人くんも男の子たちもおどろいたように目を見張る。

黙り込んだ男の子たちに『なかなおりしなさい』なんてお説教をするのかなと思っていたら、清瀬さんは手にした本を開き、「綺麗だな」と感心したようにぽつりとこぼした。

意味が分からずきょとんとする圭人くんに、清瀬さんは持っていた本を返しながら話しかける。

「このページを見てたんだろう? すごいな。銀河や星雲は知識としては知っていたけど、こんなに綺麗なものだとは思わなかった」

そこにはいくつもの光が渦を巻く棒渦巻銀河や、赤い光の帯の中で頭をもたげた馬のシルエットのような馬頭星雲。
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた美しい宇宙の姿が載っていた。

圭人くんはこれに見惚れていたんだ。

清瀬さんの言葉につられて、からかっていた男の子たちが開かれた本をのぞく。

「わ、なにこれCGじゃなくて本当にこんなものが宇宙にあんの?」
「ゲームの世界みたい」

地上ではありえない不思議な造形や色彩に彼らも一気に目をうばわれる。

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