ホテル御曹司が甘くてイジワルです

今日の夜空を映し出しながらこどもたちに話しかけた。

「今日の工作で、みんなはなんの星座を作った?」
「私、しし座だからしし座の形にした!」

元気に返事をしてくれた女の子に「しし座なら、ちょうど今頃が誕生日だね」と声をかける。

「生まれた日によって決まる十二星座は、そのとき太陽と一緒にのぼってくる星座と決められているので、お誕生日の季節は太陽がまぶしくて見ることができません」

そう言うと、「えー」とがっかりしたような声が上がる。

「だけど、おひさまと一緒に自分のことを見下ろしてくれていると思ったら、ちょっと星座を身近に感じませんか? 自分の星座を見たい場合は、誕生日の三か月くらい前の夜空を探してみてください」

投影機を操作して夜空にしし座を浮かび上がらせる。

「しし座を探すときにはまず春の大三角をみつけるとわかりやすいです。三角形の右下にあるこの明るい星がしし座のしっぽ。しし座はネメアの森に住む人食いライオンだったなんて神話が伝えられていますが、前足をちょこんとそろえて星空にのぼってくるしし座、ちょっとかわいく見えますよね」

なんて子供たちの反応を見ながら星座解説をしていると、コンソールの近くに座っている清瀬さんと目が合った。
優しい表情で見つめられ、じわじわと頬が熱くなった。

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